ミノキシジルの作用機序って⁉効果や副作用を考察!
ミノキシジルの発毛効果・副作用はどのような作用機序によってもたらされるのか、解説・考察致します。ミノキシジルの作用機序による効果が現れる期間、効果がわかる写真、通販で人気の高いミノキシジルジェネリックやタブレットの注意点についてもお伝えします。
目次
ミノキシジルの作用機序と効果を考察!
ミノキシジルといえば発毛効果のある薄毛治療薬として有名です。実はミノキシジルは本来は降圧剤として、高血圧の治療目的に開発されたのですが、後から発毛効果の副作用が報告され、薄毛治療に転用されたという経緯があります。血管拡張作用がある薬ですが、なぜミノキシジルで発毛するのか、その作用機序が完全に解明されているわけではありません。
血流促進と頭皮環境の改善により薄毛対策に効果的な育毛剤といえば上記の「チャップアップ」が有名ですが、ミノキシジルはチャップアップのような育毛剤とは異なった作用機序により、発毛への効果とともに副作用も招いてしまうことがあるようです。ミノキシジルの高い発毛効果はどのような作用機序によって導かれるのか、考察してみます。
ミノキシジルの作用機序とは?
ミノキシジルはなぜ発毛に効果があるのでしょうか。ミノキシジルによる発毛の作用機序には複数の説があるようです。
<ミノキシジルの発毛効果の作用機序>
- ATP感受性Kチャネル(KATP)の開放による血流の改善
- KATP開放による毛母細胞アポトーシスの抑制
- VEGF、IGF-1などの細胞増殖の産生を促進
- プロスタグランジン産生
ミノキシジルの作用機序1.血流の改善
ミノキシジルはプロドラッグであり、生体内での代謝作用を受けてミノキシジルサルフェートに変化します。ミノキシジルサルフェートは血管平滑筋ATP感受性Kチャネル(KATP)を開放して血管を拡張します。血流の改善により毛組織への栄養が届きやすくなると考えられ、発毛が促されると言われています。

しかしミノキシジルが皮膚の血流を良くすることはわかっているものの、ミノキシジルによる毛根の血流改善は、はっきりと実証されていないようです。頭皮の血流が改善したという報告もあるようですが、ミノキシジルの効果は毛組織器官を培養したものでも認められていることから、血流改善自体が発毛効果に大きく寄与しているわけではないと考えられます。
ミノキシジルの作用機序2.毛母細胞アポトーシスの抑制
ミノキシジルによるKATPの開放はケラチノサイト(角化細胞)や神経細胞、心筋細胞、毛組織における細胞のアポトーシス(自然死)を抑える働きがあると言われています。ヘアサイクルにおける成長期から退行期への移行は髪の元となる毛母細胞のアポトーシスによる毛母細胞の減少によるものですが、ミノキシジルが細胞のアポトーシスを抑えることで、ヘアサイクルの成長期が延長されると考えられます。

ミノキシジルにはヘアサイクルの成長期を維持して、小さくなった毛包を深く大きくする作用があるとも言われていますが、KATP開放による毛母細胞アポトーシスが大きく関与していると思われます。
ミノキシジルの作用機序3.成長因子の分泌促進
ミノキシジルには髪の成長に関わる「成長因子」の分泌を促進する作用があると考えられています。ミノキシジルにより、毛乳頭細胞のVEGF、IGF-1、毛包のHGFの産生・発現が促進されると言われています。
成長因子 | 特徴・働き |
VEGF | 血管を新生、ヘアサイクルの成長期を維持 AGAの毛組織で減少傾向にある |
IGF-1 | 毛母細胞の増殖作用、ヘアサイクルの成長期→退行期への移行を阻止 |
HGF | 細胞の増殖・運動を促進、ヘアサクルの休止期→成長期へ移行促進 |
ミノキシジルはAGA(FAGA)の脱毛部分でも発毛効果をもたらします。休止期の毛包が活発になるのは、ミノキシジルが成長因子の分泌促進が大きく関与していると考えられます。
ミノキシジルの作用機序4.プロスタグランジンの産生
美容外科などで処方される「グラッシュビスタ」という睫毛貧毛症薬がありますが、グラッシュビスタの有効成分のビマトプロストはプロスタグランジン構造類似体です。プロスタグランジンは痛みや炎症と関わる体内の生理活性物質であり、第3のホルモンとも呼ばれています。
プロスタグランジンには育毛効果が報告されており、類似体のビマトプロストも毛包の成長期を延長し、睫毛を長く濃くする効果が認められています。

ミノキシジルは育毛効果が認められるプロスタグランジンの産生も促進することが報告されており、さらにプロスタグランジンは毛母細胞の増殖作用のある成長因子IGF-1の産生を促すこともわかっています。ミノキシジルのプロスタグランジン産生の促進作用が、ヘアサイクルの成長期の延長にも関与しているとも考えられます。プロスタグランジンはメラノサイトも活性化するので、髪の色が濃くなる効果もあるかもしれません。
ミノキシジルの作用機序による効果とは?
ミノキシジルの毛母細胞アポトーシスの抑制、成長因子の分泌促進による毛母細胞増殖と血管新生、血流促進による毛組織への栄養補給、プロスタグランジン産生促進作用などが複合的に働いて、発毛へと繋がっていると考察されます。次に具体的にミノキシジルの発毛効果がどのような形で現れるのか、検証していきます。
ミノキシジルの発毛効果と期間
ミノキシジルの発毛効果がどれぐらいの期間で現れるのか、データでも確認してみましょう。以下の表は国内のミノキシジル発毛剤(リアップX5)の長期臨床試験データです。
投与期間 | 著名改善 | 中等度改善 | 軽度改善 | 不変 | 悪化 |
4週 | ー | ー | 4.1% | 95.9% | ー |
8週 | ー | ー | 12.2% | 87.8% | ー |
12週 | ー | ー | 59.2% | 40.8% | ー |
16週 | ー | 10.4% | 70.8% | 18.8% | ー |
24週 | 2.1% | 47.9% | 41.7% | 8.3% | ー |
52週 | 11.4% | 66.7% | 20.0% | ー | 2.2% |
ミノキシジルの発毛効果は短期間では現れません。しかしミノキシジル投与12週の期間で6割近い人で効果が現れ始め、16週の期間で8割以上、24週の期間で9割以上、さらに52週の期間までくると97.8%で改善が見られています。ミノキシジル発毛剤はまず4ヶ月は試してみるようにと言われますが、臨床試験でも約4ヶ月で効果が現れ始める人が増えているようです。

ミノキシジルによる毛髪本数増加は、投与4週の期間で1平方cmあたり1.4本だったのが8週で19.0本、12週の期間で23.7本と2~3ヶ月で本数が増えて落ち着き、太さ40μm以上の毛髪数は4週の期間で0.8本だったのが12週の期間で23.9本となり、3ヶ月以上の期間を経て髪の太さにも効果が現れると考えられます。
<ミノキシジル発毛剤の臨床試験結果>※1平方cmあたりの本数
- 毛髪本数…4週で1.4本、8週で19.0本、12週で23.7本
- 太さ40μm以上の毛髪本数…4週で0.8本、8週で15.3本、12週で23.9本、16週で26.4本
ミノキシジルの発毛効果を写真でも確認!
ミノキシジルの発毛効果を写真でも確認していこうと思います。まずはミノキシジル発毛剤(リアップ)を使用している方の写真からご紹介します。下の写真の黒髪の部分が、リアップで新しく生えた髪になるそうです。
老父が検査のあと「何も食べたくない」というので、実家部分に行って持参のウィダーインゼリーを渡したところ、食べたことがないので野生動物のように警戒してなかなか口にしない。
— あきばっくす (@akibax) May 20, 2015
ちなみに黒い髪がリアップで生えた髪。元は白髪だけだった。 pic.twitter.com/b1ZYLXBkIP
ただ髪が太くなっているのではなく、脱毛部分でも髪がしっかり生えてきているのが確認できます。ミノキシジルの効能・効果には白髪改善はないようですが、もしかするとミノキシジルのプロスタグランジン産生促進効果も関係あるのかもしれません。次の写真はミノキシジルタブレットを服用している人の写真です。

上の写真はミノキシジルタブレットとフィナステリドの服用を始めたばかりの写真です。そして下の写真が服用開始4ヶ月後の写真です。

服用開始時の写真とは別人のように、髪のボリュームが増えて、髪の毛が太くしっかりと育っているのが確認できます。
ミノキシジルの作用機序は効果だけでなく副作用も?
ミノキシジルの発毛効果は非常に期待できるものですが、ミノキシジルの作用機序がさまざまな副作用ももたらすようです。ミノキシジルの副作用と、副作用が起きるメカニズムについても見てみましょう。
ミノキシジルの副作用とは
ミノキシジルには外用薬と内服薬(タブレット)があり、一般的な薬と同様、タブレットの方が直接体に取り込むので副作用が強く現れやすいです。外用薬は危険な副作用が起きる発症率は低いとされていますが、ミノキシジル自体、あるいは添加物のアレルギー反応で炎症などの副作用が起こることがあります。
<ミノキシジルの副作用>
発症頻度の高い副作用 | 動悸、不整脈、胸の痛み、息切れ 2キロ以上の急激な体重増加 (外用薬)頭皮の炎症、かゆみ、ほてり、ニキビ |
発症頻度が中程度の副作用 | 腫脹(手足の腫れ) 顔面紅潮、皮膚の赤み 足、下肢のむくみ 手、足、顔のしびれ、うずき 皮膚の発疹とかゆみ |
発症頻度の高い副作用 | 顔や腕、背中の多毛 乳房の圧痛 頭痛 |
日本の厚生労働省にあたる米国のFDAは、ミノキシジルタブレットの服用で心室肥大・心外膜液異常・腎性全身性線維症・高カリウム血症・多臓器不全を発症する恐れがあると指摘しています。

ミノキシジルタブレットには強い副作用があるため、薄毛治療にはタブレットではなく外用剤が開発された経緯があります。また日本国内ではミノキシジルの外用薬は認可されていますが、ミノキシジルタブレットは薄毛治療薬としても高血圧症の薬としても認可されていません。
ミノキシジルの作用機序が心臓の負担に
ミノキシジルが体内に入るとATP感受性Kチャネル(AKTP)が活性化し、血管平滑筋が弛緩、血管が拡張されます。ところがミノキシジルは動脈側の血管のみ拡張し、静脈では拡張は起こりません。増量した血液は全身から戻ってくる時静脈を通りますが、この時一気に心臓へと流れ込むことになります。
増量した血液が心臓に一気に戻ってくると心拍数が大きく上昇し、動悸や狭心症発作を起こすことがあります。さらに急激に血圧が低下することで交感神経優位となり、カテコールアミンの分泌によっても血圧上昇と動悸を発症することがあります。

危険な副作用は主にタブレットで起こりやすいですが、外用薬の投与でも狭心症発作を起こす人がいることから、経皮吸収で肝臓で代謝されているのではないかとも言われています。ミノキシジル発毛剤のリアップも心臓・腎臓が悪い人は使用できない(もしくは医師への相談が必要)とされていますが、健康に自信のない人は使用にあたって注意が必要でしょう。
ミノキシジルの作用機序による効果を得るには?
ミノキシジルの作用機序による効果を得るには、ミノキシジルの外用薬(発毛剤)を使用するか、クリニックでミノキシジルタブレットを処方してもらいます。
ミノキシジル発毛剤を使用する
国内ではミノキシジル外用薬(発毛剤)は、すでにご紹介したリアップのみとなっています。リアップの約1年にわたる臨床試験において、97.8%の人に軽度改善以上の効果があったと報告されています。
CMでもおなじみの「リアップX5プラス」がミノキシジル5%と最もミノキシジル濃度が高く、他のリアップより高い発毛効果が認められています。X5以外には濃度1%のリアップジェット、女性用のリジェンヌなどがあります。リアップは毎日朝と夜の2回、1回につき1mLを脱毛部分を中心に塗布します。リアップは薬局・ドラッグストア、国内の大手通販サイトなどでも購入可能です。
ミノキシジルタブレットを服用する
内服薬のミノキシジルタブレットは、リアップのように薬局や国内の大手通販サイトでは購入できません。ミノキシジルタブレットは医療機関(AGA専門クリニック)での処方が必要です。副作用のこともあり定期的に健康チェックを受ける必要もあります。
ミノキシジルタブレットを処方してくれるクリニックの中でも、「銀座総合美容クリニック」はおすすめのAGA専門クリニックの一つです。親身に相談に乗ってもらえると通っている患者の方からも好評のようです。無料カウンセリングも行っているので、銀座方面にアクセスしやすい人は一度相談してみてはいかがでしょうか。人気クリニックのため要予約です。
ミノキシジルの作用機序による効果を得るための注意点
ミノキシジルは正しい使用方法、服用方法を守れば発毛効果が大いに期待できるようです。しかし海外のミノキジルやそのジェネリック品を個人輸入通販して使用するのは、危険が伴いおすすめできません。また正しい使用方法を守らなければ、発毛剤でも副作用のリスクが高まるでしょう。
ミノキシジル・ジェネリックの個人輸入通販を避ける
ミノキシジル発毛剤は「ロゲイン」が元祖ですが、ロゲインを含め、ロゲインのジェネリック発毛剤の海外品が個人輸入通販で簡単に入手できます。
<海外のミノキシジル発毛剤>
- ロゲイン
- カークランド(コストコ発のロゲインジェネリック)
- フォリックス(ミノキシジル5%・7%・12%・16%、ロゲインジェネリック)
- ツゲイン(ミノキシジル2%・5%・10%、インド製ロゲインジェネリック)
国内で発毛剤を購入するより、個人輸入通販でロゲインやそのジェネリックを購入すると安く入手できるため、代行業者の通販サイトで購入する人が多いようです。発毛剤だけでなくミノキシジルタブレットのジェネリック、他にも海外製のプロペシア(フィナステリド)やそのジェネリック、アボダート(デュタステリド)のジェネリックなどを通販で購入している人が多数いるようです。
しかし個人輸入代行通販での購入は、偽物や安い粗悪品のジェネリックが届いたり、商品発送の遅延、通販サイト閉鎖などのトラブルがあります。特にミノキシジルタブレットは副作用のリスクが高いです。

個人輸入代行通販で購入した場合、副作用も含め何かトラブルがあっても自己責任となります。安心してミノキシジルを利用するなら、国内承認薬を購入するか、信頼できるクリニックでミノキシジルを処方してもらうようにしましょう。
ミノキシジル発毛剤を正しく使う
ミノキシジル発毛剤はタブレットより副作用のリスクが低いですが、正しい使用方法を守らないとリスクが高まります。面倒だからと朝と夜の分を1回でまとめて利用したり、効き目がないからといって多く塗布するのは危険です。正しい用法・用量を守るようにしましょう。ミノキシジルによる頭皮のトラブルの報告が多いため、今まで以上にヘアケアも重視し、シャンプーも肌に優しいものを使うようにしましょう。
【まとめ】ミノキシジルの効果の作用機序は副作用ももたらす?
ミノキシジルの発毛効果の作用機序は解明されていない部分もありますが、血流促進による毛乳頭・毛母細胞の活性化、毛母細胞アポトーシスの抑制、成長因子やプロスタグランジン産生の促進による毛母細胞の増加や毛包の活性化などが複合的に働き、ヘアサイクルの成長期を延長して、毛包を深く大きく育てる作用があると考察されます。

ミノキシジルの作用機序は高い発毛効果とともに副作用ももたらしますが、適切な使用方法を守ることで副作用のリスクは下げられます。発毛効果を得たい人はミノキシジル発毛剤かクリニックでの処方がおすすめです。ただしミノキシジル発毛剤は肌が弱い人には向いていないでしょう。健康に自信がない人はミノキシジルタブレット、また発毛剤でも肝機能の代謝が指摘されているので、どちらも厳しいかもしれません。
副作用のリスクが少ないおすすめの育毛剤!
ミノキシジル発毛剤は頭皮炎症の副作用の報告も多く、特に肌が弱い人は男性ホルモン由来の薄毛だけでなく、頭皮環境の悪化による抜け毛を起こす可能性もあります。ミノキシジルよりおすすめなのが、肌にも優しく育毛対策に効果的な薬用育毛剤「チャップアップ」です。チャップアップはAGA関連医師にも副作用のリスクが少なく、品質の良い育毛剤と評価されています。
チャップアップは血流改善のための成分を20種類配合、炎症を防いで頭皮環境を整え、抜け毛を招く男性ホルモンの生成を抑えるための成分も配合、多面的なアプローチで健やかな髪へと導きます。肌に優しくサラサラの使い心地も好評、満足度97%の高い実績もあります。口コミでも評判の薬用育毛剤チャップアップで、安心して長く続けられる育毛対策をスタートしてみてはいかがでしょうか。